みやこ・けばぶ に、初めてお問い合わせくださるお客様から、よく、
料理人さんここのケバブ興味あるねんけど、食品だけにロットで仕入れる前に味見がしてみたい。よくインターネットの食品の卸サイトとかで、試食品を無料で発送しますとか、初回限定で激安のお試し注文とか、やってるやん?みやこ・けばぶでも、そういうことやってないん?
というご質問をいただきますが、当店では試食品の無償提供や、初回限定の激安販売をしていません。



えっ、なんでなん?!
とおっしゃるお客様も多くおられるため、今日は、
みやこ・けばぶは、なんでそういった「初回限定激安セール」を行っていないのか?!
という理由について、ぶっちゃけの本音を書きます! |ू •ω•)
無料とか、激安のお試し品に隠された「ツケ」の正体
当店では、初めてのお客様には「お試し注文(1回限り・1kg)」を承っておりますが、試食品の無償提供や、初回限定の激安販売は行っていません。
「初回限定、とにかく味見してみて?」というキャンペーンを行えば、確かに敷居は下がる&より多くのお店の料理人さんに気軽に試食していただけると思います。そして、そこから本注文をくださる機会も、きっと増えるはずです。
それでも、当店がその方法を選ばないのには、明確な理由があります。
世の中の「試食無料!」とか「初回お試し70%OFF!」とかってやつ、あれは魔法でも慈善でもなくって、ちゃんと原価が存在します。
- 試食無料だったら…お送りするケバブ代金の全額+配送のクール宅急便代金
- 70%OFFだったら…お送りするケバブ代金の7割+配送のクール宅急便代金
というこれらの原価は、みやこ・けばぶにとっての広告宣伝費(試食 → 当店のケバブをご発注いただくことにつながることを願うPR費用)になります。
仮にこれを当店がやったとしたら。
試食品のばらまき原価=広告宣伝費
↓
その広告宣伝費、どこから出るんや?
↓
常連さん
そう、当店のケバブをいつも仕入れてくださっているお客様の財布から、毎回ちょっとずつご負担いただくことになってしまうんです。
…それって納得できます?!
みやこ・けばぶは、その逆を行く
日用品でも、洗剤でも、化粧品でも、飲料でも、食品でも、どの業界であっても構造は同じ。
まず大前提として、商品の販売形態には店舗販売型と通販特化型があります。店舗販売型は広告宣伝費を価格に大きく載せにくい。一方、通販特化型は中間マージンをカットできる分、上乗せしやすい。
- 店舗販売型
-
メーカーで作られた商品は → 複数の問屋を経由し → ようやく小売店の店頭に並びます。この間には、経由する各問屋の人件費・利益・輸送費など、細かいコストが積み上げられています。そして小売店は、販売スペースを確保し、販売員を配置し、店舗運営のための利益を確保しなければなりません。
なので店舗販売型の商品である場合、広告宣伝費を販売価格に20%も30%も忍ばせることは、まずあり得ません。なぜなら、店頭そのものが広告の役割を果たしているからです。もし価格に過剰な広告宣伝費を載せれば、同じ棚に並ぶ競合商品との価格競争で即座に不利になります。
- 通販特化型
-
メーカーで作られた商品は → 複数の問屋を経由せず(中間マージンをカットし)→ 消費者の手に届きます。問屋や小売店に「宣伝・販売」を代行してもらえないので、多くの通販特化型ビジネスでは、カットした中間マージンを広告宣伝費に全振りします。
テレビCM、SNS広告、インフルエンサー案件、初回半額キャンペーン…。こうしてかかった広告宣伝費は、後々のリピート購入価格に上乗せして回収というか帳尻合わせできるような価格を設定します。(よくある定期購入しばりなんかは、まさにコレ)
結果として、商品価格の20%超、ひどい時には35%近くが広告宣伝費というケースも珍しくありません。
そして、みやこ・けばぶの販売形態は「通販特化型」であるがゆえに、いつもご利用いただいているリピーターさんに、こういった広告宣伝費をご負担いただきたくないんです。
派手な広告、豪華なパッケージ、破格のお試しプライス。その裏で、長く付き合ってくださってるリピーターさんが、知らん間に広告宣伝費を肩代わりしてる(通常注文の商品代金にスッと上乗せしてある)っていう構図 ← コレを、うちはやりたくないんです。
例えば、
- 某高級オリーブオイル 1L・通常価格3,200円
- 初回お試し50%OFFで提供
- この商品は通販特化型
- 通販特化型は、店舗を持たない分、広告自体が「売り場」になる(通販特化型の場合、広告宣伝費が売上の20〜35%超を占める場合もある)
- よって、広告設計が価格設計に直結
という商品の場合だと、通常購入客はいくら負担している計算になるか?!
※ この表は、価格に占める広告宣伝費をイメージしていただくための参考例として計算したものです。
| 項目 | 数値 | 補足 |
|---|---|---|
| 通常価格(1L) | 3,200円 | 高級品としての設定価格 |
| 初回お試し価格 | 1,600円 | 50%OFF(半額) |
| 割引額(1本あたり) | ▲1,600円 | この部分をどこで補填する? |
| 年間販売数 | 10,000本 | – |
| うちお試し販売 | 3,000本 | – |
| 割引総額(年間) | 480万円 | 1,600円 × 3,000本 |
| 割引分を負担する対象 | 残り7,000本の通常購入者 | – |
| 通常購入客1本あたり負担額 | 約685円 | 480万円 ÷ 7,000本 |
| 負担額の割合 | 約21.4% | 685円 ÷ 3,200円 × 100 |
ね?ね?ね?!つまり、常連さんが常連であればあるほど、他人の割引を肩代わりしている(しかも買う度にずっと)ということになってしまうんです。
これが「誰かの安さは、誰かの負担」という構造です。
この某高級オリーブオイルは本来なら、3,200円-685円=2,515円ってこと。
けども1本あたり685円を上乗せすることで、拡販のためのPR費用を得ているってこと。
当店の「お試し注文(1回限り・1kg)」は、お試しとか言う割には、確かに安くはありません。その理由は、通常Lotをご注文いただいているお客様の代金に広告宣伝費をちょろんと乗せたりせず、新規のお客様に「純粋に試すためのコスト」を、そのままいただいているだけ、だからお試しなのに激安とかではないんです。
「安かろう悪かろう」ではありません。高いけれど、理由があります
みやこ・けばぶ「トルコのひと皿® 業務用チキンドネルケバブ(調理及びカット済み冷凍食品)」は、たぶん業務用としては高い部類に入ると思います。ですが、みやこ・けばぶのそれは決してぼったくりではなく、素材・製造技術・味のクオリティに正直な価格です。
うちのシェフは色んなことにコダワリがきつい。それも物凄くきつい。笑
使用している調味料にもコダワリがきつい。うま味調味料・着色料・保存料等は一切使用せずともこの味を出す、そのために、かなりクオリティの高い(当然値段も高い)ものを使っています。
こうやって考えてみると、ただでさえ高い部類に入るみやこ・けばぶのケバブが、どれだけ原材料の部分にコストをかけてるか?ってことがよくわかります。この価値をわかってくださる当店のお客様は、ご自身のお客様に提供なさる際にも、その分しっかりと料金をいただいておられます。
逆を言えば、「安く売るために安く仕入れて薄利多売」という方針のお店には向かない商品です。
当店のケバブは、
安かろう・悪かろう・それなりだろう ではなく、
ちょっと高くても、この美味しさで有害な添加物が入ってないなら、めっちゃ値打ちある!
という価値を理解し、味と品質を武器にできるオーナーシェフの方々に、選んでいただいています。
- そんな大事なリピーターさんに対しては、
-
「誰かの安さは、誰かの負担」っていう広告宣伝費を負担してもらいたくない!誰かの負担 → オレか?!とモヤる心配ゼロでご注文いただきたい!
- 初めてご注文いただくお客様に対しては、
-
たとえお試し注文は安くても、試作が済んで → いざ店で使う本番の注文時に「誰かの安さは、誰かの負担」が乗っかった代金を払うことになってほしくない!
ということとで、みやこ・けばぶでは、そういった試食品の無料配布や、初回限定激安という類の価格設定をしていない。卸価格に広告宣伝費を上乗せして、卸値の引き上げをするような真似はしたくないのです。
初回お試し、安くなくってすんません!頑固者の寺川ですんません!
食品でも、家具でも、車でも、 どんなものにも「安い理由」と「高い理由」は必ずあります。
- 安いお試しの裏で、誰がそのコストを払ってるのか。
- 商品を安く販売するために、どの部分のコストを削ってるのか。→ 品質?それ絶対アカン
- 高い商品の裏に、何が詰まってるのか。
じっくり見ると、値段に隠された本当の構造が見えてきます。そして、その構造を知った上で選ぶ人だけが、 本物の価値を手に入れられる。
これが、みやこ・けばぶの考え方と目指すところ。
そして、みやこ・けばぶは「選んでいただけるケバブをお届けしている」と自負しています。







